第一種作業環境測定士 vs 第二種の違い【2026年版】資格取得の手順・有機溶剤・特化物対応【2026年最新版】

Person in hazmat suit and gas mask in an industrial setting, Kyiv, Ukraine. 環境系資格ガイド

📋 作業環境測定士 1種vs2種
第2種 誰でも受験可 / デザイン・サンプリングのみ
第1種 第2種取得後 / 分析業務も実施可能
2種合格率 約60%
1種合格率 約30%

📊 概要

✅ こんな人におすすめ
2種を持ちステップアップで1種を目指す人 / 化学物質の測定・分析を専門とするキャリアを目指す人
⚠️ この資格が向かない人
すでに取得済みで違いを把握している人
💡 合格のコツ
2種は「デザイン・サンプリング」のみ。1種は追加で「分析技術」が必要で実務経験要件もある。まず2種で実務を積みながら1種を目指すのが王道。

作業環境測定士制度の基本情報

作業環境測定士は、労働安全衛生法に基づいて設置された国家資格であり、職場における有害物質の濃度や騒音、振動などを測定・評価する専門家です。この資格は1977年4月1日の労働安全衛生法施行令改正により創設され、現在では産業衛生分野における重要な役割を担っています。

作業環境測定士には第一種作業環境測定士第二種作業環境測定士の2種類があり、それぞれ測定できる作業場や業務範囲が明確に区分されています。公益財団法人安全衛生技術試験協会の公式発表によれば、登録者数は年々増加傾向にあり、産業衛生分野における需要の高さを示しています。

第一種と第二種の根本的な違い

両資格の最も重要な違いは、測定対象となる作業場の範囲にあります。以下の表で主な相違点を整理します。

比較項目 第一種作業環境測定士 第二種作業環境測定士
測定対象 すべての作業場(特化物・有機溶剤・鉛・放射線など全て) 有機溶剤・特定化学物質(一部)のみ
デザイン・サンプリング 実施可能 実施可能
分析業務 実施可能 実施可能
評価業務 すべて実施可能 限定的(指定作業場のみ)
登録要件 試験合格+講習修了 試験合格+講習修了
受験資格 大卒(理系)1年実務/高卒3年実務等 学歴不問(実務経験のみ)

第二種作業環境測定士が測定できるのは、主に有機溶剤中毒予防規則および特定化学物質障害予防規則で定められた作業場のうち、比較的リスクの低い物質を取り扱う場所に限定されます。具体的には、トルエンやキシレンなどの有機溶剤、および第三類物質に分類される特定化学物質が該当します。

一方、第一種作業環境測定士は、鉛中毒予防規則四アルキル鉛中毒予防規則粉じん障害防止規則電離放射線障害防止規則などで定められたすべての作業場を測定できるほか、騒音・振動・暑熱環境などの物理的有害因子の測定も実施可能です。

資格の社会的位置づけと需要

作業環境測定は、労働安全衛生法第65条により、特定の有害業務を行う事業場に対して定期的な実施が義務付けられています。測定頻度は6ヶ月以内ごとに1回(一部の作業場は1年以内ごとに1回)と定められており、この法定義務が作業環境測定士の安定した需要を支えています。

厚生労働省の統計によれば、全国に約15万の事業場が作業環境測定の対象となっており、年間約80万件の測定が実施されています。特に製造業、建設業、医療・研究機関などで需要が高く、近年では半導体製造やバイオテクノロジー分野など新しい産業領域でも測定ニーズが増加傾向にあります。

キャリアパスと資格の活用

作業環境測定士の主な活躍の場は以下の通りです。

  • 作業環境測定機関:全国に約3,000機関が登録されており、企業から委託を受けて測定業務を実施
  • 企業の安全衛生部門:大手製造業や化学メーカーなどで自社測定を担当
  • 労働衛生コンサルタント:測定士資格を基盤に、衛生工学衛生管理者や労働衛生コンサルタントへステップアップ
  • 環境計量士との兼務:環境測定分析センターなどで幅広い測定業務に従事

日本作業環境測定協会の調査によれば、作業環境測定士の平均年収は450万円〜650万円程度で、独立開業した場合や大手企業の専門職として勤務する場合はさらに高収入が期待できるとされています。特に第一種取得者は測定範囲が広いため、就職・転職市場での評価が高く、資格手当も月額1万円〜3万円程度支給される企業が多いとされています。

2026年における制度の最新動向

2024年4月に施行された労働安全衛生規則の一部改正により、化学物質管理の自律的管理制度が本格導入されました。これに伴い、リスクアセスメントの実施が義務化され、作業環境測定の重要性がさらに高まっています。厚生労働省は、2026年度までに測定機関の質的向上を図るため、継続教育制度の強化や測定精度管理の厳格化を進める方針を示しています。

また、デジタル化の波も押し寄せており、リアルタイム測定機器やAIを活用した評価システムの導入が進んでいます。しかし、最終的な評価判断は作業環境測定士の専門性に委ねられるため、資格の価値は今後も維持されると考えられています。

📈 試験・資格取得

受験資格の詳細

作業環境測定士試験は、公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施する国家試験です。第一種と第二種では受験資格が大きく異なるため、自分がどちらを受験できるのか事前に確認することが重要です。

第一種作業環境測定士の受験資格

第一種の受験資格は、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 大学卒業者:理科系学部(工学、理学、農学、医学、薬学など)を卒業し、1年以上の実務経験を有する者
  • 短大・高専卒業者:理科系学科を卒業し、3年以上の実務経験を有する者
  • 高校卒業者:理科系学科を卒業し、5年以上の実務経験を有する者
  • 第二種作業環境測定士:第二種の登録を受けた後、2年以上の実務経験を有する者
  • その他:労働衛生コンサルタント(試験科目の一部免除)、衛生工学衛生管理者免許を有する者など

ここで言う「実務経験」とは、作業環境測定に関する業務(デザイン、サンプリング、分析、評価のいずれか)に従事した期間を指します。安全衛生技術試験協会の規定では、週の所定労働時間が30時間以上の場合は実務経験として認められますが、それ未満の場合は実労働時間に応じて按分計算されます。

第二種作業環境測定士の受験資格

第二種は、学歴要件がなく、実務経験のみで受験可能です。

  • 実務経験のみ:作業環境測定に関する実務経験が1年以上ある者(学歴不問)

第二種の場合、測定機関や企業の環境管理部門でアシスタントとして測定業務に携わった経験があれば、学歴に関係なく受験できるため、実務からキャリアをスタートさせる方にとって取得しやすい資格と言えます。

試験概要と日程

作業環境測定士試験は、年1回実施されます。2026年度の試験スケジュールは以下の通りです(安全衛生技術試験協会公式サイト参照)。

項目 第一種 第二種
受験申請受付期間 2026年5月中旬〜6月中旬 2026年5月中旬〜6月中旬
試験実施日 2026年8月下旬(予定) 2026年8月下旬(予定)
合格発表 2026年10月下旬(予定) 2026年10月下旬(予定)
受験手数料 22,200円(非課税) 17,600円(非課税)
試験地 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡

受験申請は、安全衛生技術試験協会のホームページから電子申請、または郵送により行います。受験資格の確認には実務経験証明書の提出が必要で、所属企業や測定機関の責任者による証明印が求められます。

試験科目と出題範囲

第一種作業環境測定士の試験科目

第一種は、以下の5科目で構成されます。

  • 科目1:労働衛生一般(50分・25問)

    • 労働衛生の基礎知識、職業性疾病、労働衛生管理体制
    • 化学物質、粉じん、騒音、振動、温熱環境などの有害要因
  • 科目2:労働衛生関係法令(50分・25問)

    • 労働安全衛生法、同施行令、同施行規則
    • 有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、鉛中毒予防規則など
  • 科目3:デザイン・サンプリング(60分・30問)

    • 測定計画の立案方法、サンプリング理論
    • 測定点の選定、測定時間の決定、A測定・B測定の実施方法
  • 科目4:分析に関する概論(60分・30問)

    • 化学分析の基礎(定性分析、定量分析)
    • 機器分析法(ガスクロマトグラフィー、原子吸光分析、X線分析など)
    • 騒音・振動の測定原理、放射線測定の基礎
  • 科目5:作業環境について行うデザイン及びサンプリング並びに作業環境測定結果の評価(実技試験形式の筆記・90分)

    • 実際の作業場を想定した測定計画の立案
    • 測定データからの管理濃度評価、管理区分の判定
    • 改善対策の提案

第二種作業環境測定士の試験科目

第二種は、第一種の科目1〜3に相当する内容で構成されます。

  • 科目1:労働衛生一般(50分・25問)
  • 科目2:労働衛生関係法令(50分・25問)
  • 科目3:デザイン・サンプリング(60分・30問)

第二種は分析や評価に関する専門知識は問われませんが、デザイン・サンプリングについては第一種と同等レベルの理解が求められます。

合格基準と合格率

作業環境測定士試験の合格基準は、以下の通りです。

  • 各科目とも正答率60%以上であること
  • 1科目でも基準に達しない場合は不合格(科目合格制度なし)

安全衛生技術試験協会が公表している過去5年間(2019〜2023年度)の平均合格率は以下の通りです。

年度 第一種合格率 第二種合格率
2019年度 24.8% 32.6%
2020年度 23.1% 29.8%
2021年度 25.3% 33.2%
2022年度 22.7% 30.5%
2023年度 26.1% 34.1%

第一種の合格率は22〜26%程度、第二種は30〜34%程度で推移しており、いずれも難関資格に分類されます。特に第一種は、分析に関する専門知識や実技試験形式の科目5が難関とされ、理系出身者でも十分な準備が必要です。

効果的な学習方法

推奨学習期間

合格者の体験談や予備校の推奨によれば、以下の学習期間が目安とされています。

  • 第一種:6ヶ月〜1年(週10〜15時間の学習)
  • 第二種:3ヶ月〜6ヶ月(週8〜10時間の学習)

理系学部出身者や実務経験豊富な方は短縮可能ですが、法令科目は暗記量が多く、分析科目は専門性が高いため、余裕を持った学習計画が重要です。

科目別攻略法

労働衛生一般:産業医学、衛生工学の基礎知識を問う科目です。「作業環境測定のための労働衛生の知識」(中央労働災害防止協会)などの公式テキストを中心に学習し、職業病の症状や有害要因の種類を体系的に整理しましょう。過去問では類似問題が繰り返し出題されるため、過去5年分の徹底演習が有効です。

労働衛生関係法令:法令の条文を正確に暗記する必要があります。特に測定頻度、測定項目、管理濃度などの数値は頻出です。法令集を手元に置き、条文と過去問を往復しながら学習するのが効果的です。改正情報にも注意が必要で、厚生労働省のホームページで最新の改正内容を確認しましょう。

デザイン・サンプリング:測定点の配置方法やサンプリング時間の計算問題が出題されます。A測定とB測定の違い、単位作業場所の概念、管理濃度の定義などを正確に理解することが重要です。実際の作業場を想定した演習問題を数多く解くことで、応用力が身につきます。

分析に関する概論(第一種のみ):化学分析や機器分析の原理を問う問題が中心です。ガスクロマトグラフィーや原子吸光分析などの測定原理、検量線の作成方法、誤差要因などが頻出テーマです。化学の基礎知識が不足している場合は、高校化学の復習から始めることをお勧めします。

科目5・実技試験(第一種のみ):実際の作業場の図面や測定データを読み解き、適切な測定計画や評価を記述する問題が出題されます。過去問の模範解答を参考に、論述の型を習得することが合格の鍵です。日本作業環境測定協会が提供する講習会などを活用すると、実践的なノウハウが学べます。

活用すべき教材・リソース

  • 公式テキスト

    • 「作業環境測定のための労働衛生の知識」(中央労働災害防止協会)
    • 「作業環境測定ガイドブック」(中央労働災害防止協会)
  • 過去問題集

    • 安全衛生技術試験協会が公表する過去問(協会HPからダウンロード可能)
    • 市販の問題集(「作業環境測定士試験 攻略問題集」など)
  • 法令集

    • 「労働安全衛生法令集」(労働調査会)
  • 予備校・通信講座

    • 日本作業環境測定協会の受験準備講習会(毎年6月頃開催)
    • 各地の労働基準協会が開催する直前対策講座

登録講習の受講

試験合格後、作業環境測定士として登録するためには、登録講習の修了が必須です。登録講習は、公益財団法人日本作業環境測定協会が実施しており、講習期間は以下の通りです。

  • 第一種:5日間(計35時間)
  • 第二種:3日間(計21時間)

講習内容は、測定機器の実習、分析実習、評価演習など実践的な内容が中心で、最終日に修了試験が実施されます。修了試験の合格率はほぼ100%ですが、欠席や遅刻は認められないため、スケジュール調整が重要です。

講習費用は、第一種が約12万円、第二種が約8万円(2026年度予定額)です。講習は全国主要都市で年数回開催されますが、定員に達し次第締め切られるため、試験合格後は早めに申し込むことをお勧めします。

登録手続きと資格の維持

登録講習修了後、厚生労働大臣の登録を受けることで、正式に作業環境測定士として業務を行えるようになります。登録申請は、所定の申請書に講習修了証、写真、手数料(登録免許税9,000円+登録手数料約3,000円)を添えて、各地の労働局に提出します。

登録後は、5年ごとの更新は不要ですが、実務から離れている期間が長い場合は、再講習の受講が推奨されています。また、測定機関に所属する場合は、測定機関の登録更新(5年ごと)に合わせて、継続教育の受講が求められることがあります。

🔍 有機溶剤・特化物測定の実務

有機溶剤作業における測定義務

有機溶剤とは、他の物質を溶解する性質を持つ有機化合物の総称で、塗装、印刷、接着、洗浄などの作業で広く使用されています。有機溶剤中毒予防規則(有機則)では、第一種有機溶剤、第二種有機溶剤、第三種有機溶剤の3種類に分類され、それぞれ取り扱い基準が定められています。

有機則第28条により、有機溶剤を製造または取り扱う屋内作業場では、6ヶ月以内ごとに1回、定期的に作業環境測定を実施することが義務付けられています。ただし、以下の場合は測定義務が免除されます。

  • 有機溶剤の含有量が5%以下の製剤を使用する場合
  • 密閉設備、局所排気装置により十分な換気がなされ、労働者が蒸気にばく露されるおそれがない場合
  • 屋外作業場(ただし、労働基準監督署長の許可が必要な場合あり)

有機溶剤測定の具体的手順

測定対象物質と管理濃度

有機則で定められた主要な有機溶剤と管理濃度は以下の通りです。

物質名 主な用途 管理濃度(ppm)
トルエン 塗料、接着剤、印刷インク 20
キシレン 塗料、溶剤 50
酢酸エチル 塗料、接着剤 200
メタノール 溶剤、燃料 200
イソプロピルアルコール 洗浄剤、消毒剤 200
ノルマルヘキサン 溶剤、抽出剤 40

管理濃度は、労働者が1日8時間、週40時間程度、その濃度の空気を吸入しても健康上の悪影響がないと判断される濃度として設定されています。

デザインとサンプリング

有機溶剤測定では、A測定B測定の2種類を実施します。

A測定は、単位作業場所全体の平均的なばく露濃度を評価するための測定で、以下の手順で行います。

  • 単位作業場所の決定:作業内容、設備配置、換気状態などを考慮し、測定対象エリアを区分
  • 測定点の選定:単位作業場所内で、労働者の主な作業位置や有機溶剤発生源付近に測定点を設置(通常3〜5点)
  • サンプリング時間:作業時間中、連続して10分間以上測定(通常は作業時間全体を通じて2回以上実施)
  • 測定高さ:床上50cm〜150cmの呼吸域

B測定は、最も高濃度にばく露される労働者の個人ばく露濃度を評価するための測定で、以下の手順で行います。

  • 対象労働者の選定:単位作業場所内で最も高濃度にばく露されると推定される労働者を選定
  • 測定位置:労働者の呼吸域(肩または襟元付近)に測定器を装着
  • サンプリング時間:作業時間全体を通じて連続測定(最低10分間以上)

試料採取と分析

有機溶剤の測定は、吸引ポンプ

🎯 この記事のまとめ・次のアクション

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